こんにちは、とらこです。
今日は訪問での所感についてお話しようと思います。
訪問先は、高齢者施設に入居されている方、独居の方、ご夫婦、ご家族と同居されている
いろんなパターンがあります。
今回はご夫婦+娘様のご家族についてお話ししたいと思います。
元々ご夫婦だけで生活されていましたが、介護しないといけない状況になり近くに住んでいらっしゃった1人娘様が泊まり込みで現在一緒に住んでいる形になります。
訪問医、ヘルパーさんもご利用されていますが、
食事・掃除・買い物・トイレ介助・おむつ交換などは娘様がされています。
お母様:要介護5 寝たきりで食べる・飲むなどの介助必要・おむつ交換必要
お父様:要介護2 週3回透析 室内の移動は車椅子
訪問介入直後から娘様へもマッサージを行っています。
元々頭痛持ちで強い薬も飲まれていましたが、マッサージを開始してから薬を飲まれなくなったそうです。
ご両親もマッサージを大変気に行ってくださり、3人とも体の調子が少しずつですが、改善傾向が見られるようになってきていました。
ご両親と娘様の関係はすごく良好です。娘さんは「お母さんお水飲む?」「お父さんこれ食べてみる?」などすごく口調も優しく、常に笑顔が多いのです。
私はここまで優しくご両親の介護されている方を見たことがなかったので1度聞いてみたことがあります。
「介護でイライラしたり、ストレスないですか?」
少しはあるけど、、子供の学費とか家賃など出してもらっているからこれくらいのことしないと・・・
そうか・・・それぞれ事情があるんだなと。
しかし、それから1週間後・・・・
その日もいつもの時間に訪問すると娘様の姿がありません。
「30分前に娘が救急車で運ばれた」とご夫婦から聞きました。
たまたまお孫さんが家にいたので娘様が救急車で運ばれる前に呼び寄せていたのですが、もしお孫さんが家にいなかったら?
娘様は病院に着く頃には痛みは軽減し、入院せずその日中に戻ってこられたそうで大事に至らなくてよかったのですが、もし娘様が入院されていたらご夫婦の介護は今日から誰が?お孫さんが?お婿さんが?
その後、お母様が娘様に負担かけたくないという思いから2週間に1度、5日間のショートステイに行かれるようになり、少し娘様の負担は軽減されるようになりました。
私も3人の子供の母親ですが、1人の時間を作るようにしていることを娘様に伝えました。「実の親子でも1人の人です。いいことばかりではなく見えないうちにストレスも溜まりますし、自分の自由な時間がないとイライラしてしまい悪循環になり、無理して自分にも相手にとってもマイナスです。1時間、30分でもいいから近くのファミレスでぼーっとしてきてください!全然違いますよ」と伝えると早速娘様実行してくださり、「行って良かった◎気持ちが変わる!」とおっしゃっていました。ほんの少しの非日常でリフレッシュして、気持ちリセットされ、また頑張れる活力になるのです。
娘様も疲労と見えないストレスが溜まっていて救急車を呼ばなければいけないところまで来ていてしまいました。
その前からケアマネージャーさんからも「何かあったら頼ってね」と言われていたんだけどねとお話しされていました。周りから見て声がけしていても今回のようなことになってしまうんだなと痛感しました。
介護されているご家族の方たちの特徴として責任感が強すぎる部分があります。
「今までやってきたし」「私元気だから」「今更ヘルパーさんに頼むのも」「お金かかるよりは自分で」「親たちが望むから」
親が自分達の力だけで在宅で暮らせないのであれば、
「誰が、何を、どの程度まで」支えていけるのかを考えてみましょう。
長丁場になる介護を家族だけで支えていくことは現実的に極めて困難なので
自分の生活を守るために公の制度を使えるだけしっかり使ったほうがいいと
思います。
ケアマネージャー、医者、訪問看護師、介護関連スタッフ、私たちリハビリスタッフで良いサービスを提供するために情報を共有し、意見交換も行っています。
1人で決して全てを背負う責任はなく、みんなで支え合い、みんなで介護していけるように、もっともっと頼ってもらい、安心してもらい、任せてもらえるように、そして信頼してもらうこと。
訪問マッサージの私たちに出来ることは施術以外にもたくさんあるはずですし、これからも寄り添っていきたいと思いました。